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まずは思い切り振ってみよう!新卒1年目・佐伯響子のドラコンと仕事の日々

「PLDA女子ドラコン世界選手権」でプレーする佐伯響子

スピーカーから流れる音楽と派手なマイクパフォーマンスが会場の空気を震わせ、打席後方に設置された特設スタンドから眺める選手たちはまるで舞台上の役者のようだ。9月9日(金)、那須小川ゴルフクラブ(栃木県)で行われた「PLDA女子ドラコン世界選手権」最終日。たくましく盛り上がった二の腕を持つ海外選手たちに囲まれて、佐伯響子のスラリとした長身が目立っていた。

2022年のGDO新卒入社組である佐伯がドラコン競技に目覚めたのは大学3年生のとき。小4から続けてきたゴルフではプロを目指す選手たちとは“何かが違う”と認めざるを得なかったが、それでも飛距離には自信があった。翌年8月に出場した「LDJ×GD Japan Long Drive Championship」のアマチュア部門で1位となって「もっとやりたい!」とのめり込んだ。

競技ルールはシンプルだ。制限時間は2分半で持ち球は6球、測定有効幅内にどれだけ遠くまで飛ばせたかを競う(=1セット)。ただ、競技団体によって記録の扱いが違っていて、主流は『最も遠くまで飛んだ1球』を記録とするもの。一方で、日本プロドラコン協会(JPDA)は枠内に飛んだ『上位3球の平均飛距離』を記録とする独自ルールを採用しており、米国PLDAと共催した今大会もこの“3球ルール”で実施された。

前日の予選グループ。佐伯は最終セット、最後の1球を枠内に入れて、32人から16人に絞られる決勝グループ進出を勝ち取った。インターネットのライブ中継でその模様を見ていたのだが、実にハラハラしたのは言うまでもない。「2分半で決着するスピード感がゴルフとは違うところ。そこに楽しさがあると思うし、最後の1球まで分からないのも面白い」と佐伯は言う。「もっとみんなに知ってほしいし、盛り上げていきたいです!」

予選、決勝と1日2セットで完結する国内大会とは違い、この世界大会は予選グループ、決勝グループでそれぞれ5セットを行い、勝ち進むとベスト8、準決勝、決勝とさらにセットを重ねていく。決勝グループで敗退した佐伯は「ベスト16に上がれたことは大満足。でも、ベスト8に残れなかったとしても、一発だけでも、もうちょっと良い球を打ちたかった…」と、海外勢との体力差も痛感しつつ(あの“マン振り”を何十球も続けるのだ…!)、誇らしさと悔しさが同居したような表情で総括した。

ドラコンで世界を目指す!

職場に戻ればバイヤー(仕入れ担当)1年目である佐伯は最近、GDOゴルフショップのYou Tubeライブにも出演して、自身の経験を踏まえたオススメ練習器具の紹介を行っている。上司の小俣光央は「根っからのゴルファーなので、ゴルファー視点で商品を見られる。これから期待できそうです」と目を細めるが、この企画はこれまで発掘できていなかった顧客層に新しいチャネルを利用してリーチしようという挑戦のひとつ。仕事でもドラコン同様「挑戦」が大きなテーマとなっている。

ゴルフの帝王ジャック・ニクラウスはその著書でこう語っている。「私は初めてゴルフクラブを握ったその日から、ボールを強く叩くように教えられた。(コーチの)ジャック・グロートは最初に強く振ることを覚えたゴルファーは、あとで正確性を得られるが、その逆に最初に正確性を意識し過ぎたゴルファーは、あとから強く振ることを覚えるのは難しいと信じていた。私はそれが、自分やアーニー(アーノルド・パーマー)の成功に寄与した哲学だと思っている」

この考えは、現在の私たちの仕事にも当てはまるだろう。目まぐるしく移り変わる世の中に対応するため、常識に囚われない発想と大胆な行動力が求められている。小さくまとまらずに、まずは思い切り振ってみること。最初は球がどこに飛ぶか分からなくても、適所に修正を施せば徐々に精度は高まっていく。いずれは誰も及ばない遠くまで、正確無比なショットを打てるようになるはずだ。

<了>

ドラコンでも仕事でも、まずは思い切り振ってみよう!

◆佐伯響子の使用ドライバー
#1 トラディショナルスポーツ SCIENCE GEAR TS-456(10度)
(シャフト:トラディショナルスポーツ SHUHARI =守破離=/47インチ 硬さEF)
#2 フォーティーン GelongD DX-001(7度)
(シャフト:フォーティーン オリジナルカーボンFT-40d/47.75インチ)


◆飛距離アップのオススメ練習器具 by バイヤー佐伯
ハンディスピードスティック
注目ポイント:ウェートが3つ付いていて、1個の練習器具で重さを変えられる。

【使用方法】まずは、体をほぐすために全てのウェートが付いた状態で大きく振り、それからウェートを1つにして最大スピードを意識して素振りする。最後に自分のドライバーで素振りする。軽いものを思いっきり振るのがポイントです。軽いものを振ったときの最大スピードを体が覚え、その後にドライバーを振るとヘッドスピードがアップして、シャフトがしなってヘッドが後から走ってくるイメージが持てます!

写真・文 今岡涼太

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