story 2019.10.31 キャンプと融合した「ほたるゴルフ」で次世代ゴルフの“光”を探した イノベーション キャンプ ほたるゴルフ ゴルフ場の有効活用 GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)は2019年夏、ゴルフとキャンプの親和性を試すべく「ほたるゴルフ」と言う名のイベントを実施した。ゴルフ場で蛍を観察したわけではない。昼間にゴルフのラウンドを楽しんだら、夜は光るボールを使って真っ暗闇の中を数ホールプレー。夜空に瞬く光を描くことから「ほたるゴルフ」と名付けた。バーベキューと花火でもアウトドアを満喫し、コースに設置したテントで一夜を過ごす。あったらいいな—を追求したそんな非日常体験の中に、通常のゴルフとは明らかに違う点を見つけることができた。イベントを振り返りながら紹介していこう。 皆さんは日没後にゴルフをしたことはあるだろうか。「ナイターゴルフならあるよ」という方はいるだろう。しかし、ほたるゴルフは、照明設備がないコースでの実施となるためホールは真っ暗闇。上を見上げれば手に届きそうな星空が美しく、つい見惚れてしまうほどだが、プレーで頼りになるのは乗用カートに即席でつけたライトとピンに巻きつけられたLEDライト、そして光るボールだけという条件だった。LEDボールで綺麗なドローボールで描いた放物線をとらえた設定されたのは4ホール。計32人の参加者はみな、いくばくかの緊張や戸惑いとともにスタートしていった。想像以上に、ナイトゴルフは昼間のプレーと勝手が違うのだ。暗闇では視覚以外の感覚が鋭敏になるせいか、自身の平衡感覚にまで不安を覚えるほか、わずかに得られる視覚情報といえる光るボールとの距離感にも自信がなくなる。まさに非日常体験。だがホールアウトした参加者はそれを楽しみ、なかなか経験できない感覚を満喫し、虜になった人もいたようだ。札幌から参加したという高橋裕訓(たかはし・ひろのり)さんもその一人。GDOのメールマガジンでこの企画を見つけたという高橋さんは「すぐに参加を決めました。だって、夜にゴルフして、その後そのままゴルフ場でキャンプするなんて、聞いただけで楽しそうじゃないですか。この暗闇の中ですから、正直ゴルフというよりは、ゴルフを使った新しいアクティビティって感じですね。斬新で本当に楽しかったです。また機会があれば参加します!」と笑顔で話してくれた。思わずゴルフ場の中にいることを忘れてしまうような光景だほたるゴルフのもう一つの目玉がグランピングだった。今回の企画は、ゴルフ場でゴルフとキャンプの親和性を試す目的もある。そこで、元お笑いタレントで、現在はYouTubeでアウトドアライフの楽しさを発信しているベアーズ島田キャンプさんにも参加してもらった。島田さんは、年間約50日をキャンプで過ごすという。だがゴルフ場でのキャンプは今回が初体験。GDO社員はとかく社業である「ゴルフ寄り」の視点でゴルフとキャンプの親和性を評価してしまいがちだが、ゴルフ場との接点がほとんどない島田キャンプさんは、「キャンプ寄り」から今回の取り組みをどう感じたのだろうか。野外料理研究家兼キャンプ系YouTuberベアーズ島田キャンプ氏島田さんは「ゴルフは自然の中でプレーするわけだから、アウトドアが好きなゴルファーは多いはずです。ですから、ゴルフとキャンプはそもそも親和性があると思いますし、ゴルフ場の環境もキャンプに向いていますね。一番の利点は、家族をキャンプに連れて来られるという安全さですね。小さな子供が走り回っても心配ないですし、子供たちもこんな広大な芝生の中を走ったりしたら楽しいと思いますよ。18ホールを回って、その後で一からテントを用意してキャンプをすることは大変かも知れませんが、ハーフラウンドの後にグランピングをする1泊2日なら、楽しいイベントになるはずです。」キャンプ施設やその準備・運用はどのゴルフ場でも導入できるほど簡単なことではないが、島田さんの言葉はどんなゴルフ場にもなんらかのヒントとなるはずだ。キャンプをしにゴルフ場に来た人が、その環境に感激してゴルフを始めてくれたら…。ゴルフの普及に努める我々にとって、これ以上の喜びはないだろう。ゴルフ5カントリー美唄コース 西條慎一(さいじょう・しんいち)支配人今回の企画を受け入れていただいた施設側は、実際のところゴルフ×キャンプにどんな期待を抱いていただろうか。ゴルフ5カントリー美唄コースは、4年前から雪上でプレーするスノーゴルフ、ナイトスノーゴルフ、フットゴルフなど北の大地らしいイベントにトライし、ゴルフ場をゴルファー以外に開放してきた施設でもある。西條慎一(さいじょう・しんいち)支配人は「ほたるゴルフ」についてこう語る。「ゴルフ場の景色は素晴らしいのに、それを知っている人は基本的にゴルファーだけです。当ゴルフ場がゴルフ以外の取り組みをしているのも、もっと色んな方々にこの雰囲気を味わって欲しかったからでした。で、夜の涼しい時間帯にコースを活用しないのはもったいないと思っていたところ、GDOさんから今回の『ほたるゴルフ』のお声がけを頂いて実現しました。キャンプに対する準備や運用など、現段階で通常営業に取り入れるには課題が多いですが、参加者の皆さんも楽しんでいらっしゃいましたし、今後もイベントとして継続できればと思います。ゴルフ場という場所を提供してできる遊びはまだまだあると感じていますので、これからも新たな企画を模索していきたいです」。今回の『ほたるゴルフ』を見渡して、通常のゴルフ場と明らかに違うことがあった。それは暗闇でのゴルフプレーや、バーベキュー、キャンプというイベント要素だけではなく、ゴルフ場の美しい芝の上で無邪気に遊ぶ小さな幼児の姿。これは、家族やゴルフをしない仲間たちとゴルフ以外で楽しめるキャンプがあったからこその光景ではなかろうか。ゴルフを始めるきっかけは千差万別。もしかすると、今回参加してくれた子供たちは、キャンプがきっかけでゴルフ場に親しみを感じてくれるかも知れないし、いずれクラブを握る可能性だってあるだろう。ゴルフとキャンプの融合がテーマの「ほたるゴルフ」だったが、その可能性は計り知れないのだ。■イベントゲスト:ベアーズ島田キャンプ(有限会社ヒロシ・コーポレーション)HP:https://hiroshi0214.com/hiroshi/295-2/YouTubeはこちら■ゴルフ場:ゴルフ5カントリー美唄コース〒079-0261 北海道美唄市茶志内町250−1HP:https://www.alpen-group.net/bibai/GDOゴルフ場予約はこちら2020年2月にゴルフ5カントリー美唄コースで開催!参加申込はこちら 写真・角田慎太郎 動画・株式会社モーションズ 文・田村一人 構成・PLAY YOUR LIFE編集部/谷 この記事をシェアする 一覧に戻る 関連ストーリー Related Stories 福岡最古のゴルフ練習場 「道場」から「娯楽施設」へ転身中 トップトレーサー・レンジ(TTR) 2024.02.14 【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.9】 場所も国境も超えて「市民化」するサービスを ゴルフ未来日記 2023.08.08 会員権はウイスキー樽 焼酎「宝山」の西酒造が新コンセプトのゴルフ場 イノベーション 2023.07.11 「エンタメ」か「黙練」か? 若きオフコースゴルフの悩み イノベーション 2023.04.26 一覧はこちら