story 2019.04.12 【WorkFast-GDO的ワークスタイルVol.3】“自律した働き方”って、なんだ? 私たちがホワイト企業と言われるまでの歩み サステナビリティ GDO TALK Work Fast 「ホワイト企業アワード」という企業表彰がある。(一財)日本次世代企業普及機構が主催する表彰で、いわゆる「ブラック企業」と対極にあたる「働きやすい」企業を人事制度やその運用・浸透などを基準に審査し、1000社程度のエントリー企業の中から選んで公表しているものだ。GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)はこのアワードに過去3回選ばれ、2019年度は最優秀賞を受賞した。創業当時から代表の石坂が「理想の職場環境を創りたい」と掲げつつも、なかなか実現が難しかった環境改善が近年急速に進んだ成果。私たちが創業時より掲げる働き方の基本精神“自律した働き方”について、いま改めて考えてみた。音としての「じりつ」には、「自立」と「自律」がある。違いを説明できるだろうか? 辞書を引いてみると、「自立」とは「他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること」とあり、「自律」とは「他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること」とある(出典:大辞林)。つまり「自立」は能力・経済力・身体といった“外的な”要素による独り立ちで、「自律」は価値観・信条・理念・哲学といった“内的な”要素による独り立ちということのようだ。たとえて言うなら、実家を出て経済的に独り立ちすることは「自立」で、誰かのポリシーに従うのではなく自身の信念に基づいて仕事をすることは「自律」だろう。GDOは、働き方に柔軟性を持たせている。週に上限3日まで可能なリモートワーク制度、コアタイムが10時~13時のフレックス勤務、6時間までは休憩なしで勤務可能なスルーワーク、平日にゴルフのために休暇が取れる「ゴルフ休暇」など。フレックス勤務も7時から勤務開始が可能であるため、午後半休を使わずして13時に退社する社員もいる。ライフスタイルに合わせた働き方が可能であるため、育児や介護など個人的事情を特別に明らかにしなくても自身のコントロールの下で人生をやりくりすることができる。もちろん社員の“やりたい放題”で会社が機能不全に陥っては元も子もない。会社として制度を拡充していく上ではバランスが重要だ。人事企画室の室長・菊池一恵に聞いてみた。柔軟な働き方を実現するための考え方を浸透させるには、と人事企画室長の菊池に聞いた「私たちは制度を充実させることよりも、人事ポリシーとして掲げている“自律した働き方”を考え方として浸透させることに重点を置いています。自ら考え、自らの責任で行動できる人を採用し育てること。企業としてそれが実現できれば、どんなに制度上自由になったとしても問題が起きることはないと思っています。今回のホワイト企業アワードでは、2018年から運用を開始した“オネストジョン”という残業時間を事前に予測し、誤差の少ないチームにインセンティブを付与する施策が評価され最優秀賞を受賞できました。これも『残業を減らしてください』と単に呼びかけるのではなく、自分の意志で宣言した予定残業時間を達成するという能動的な方法で長時間労働を減らす取り組みです。会社から押しつけるのではなく、自分で意識し自分で掲げた目標を達成してもらう仕組みを作ること。それを何より大切にしています」審査委員である、一般財団法人日本次世代企業普及機構・評議員の小室淑恵氏とゴルフをしない人にはなじみがないかもしれないが、“オネストジョン”とはゴルフコンペのゲーム方式のひとつで事前に自分のスコアをスタート前に予測して提出し、それにもっとも近い人が優勝するという「性善説」に則った遊び方である。ゴルフの会社らしく、制度名をゴルフ用語にすることで考え方や精神が社員の心にスッと入ってくるのかもしれない。特定のスポーツを商材として扱う企業ならではの強みだ。ゴルフはレジャーのひとつでもある。つまり、リフレッシュするための遊びの選択肢。お客様により良いサービスを提供するために、まずは私たちが自ら「仕事も余暇も十分に楽しむ理想の働き方を追求しよう」という想いが石坂をはじめとした経営陣にはある。そんな考え方もさまざまな人事施策を導入していくきっかけになった。ゴルフというスポーツの持つ「余暇を楽しむツール」という側面に価値を見出し、制度を掲げるだけではなく、積極的に使っていこうという社風づくりは自分たちの事業を見つめ直すことと同義だ。ゴルフ場リモートワーク試験時の社員の様子。午前中に仕事をし、午後はハーフを回った過去にはGDOにも企業としてのビジネス規模を一段上に上げるため、社員が歯を食いしばって「出来上がるまで仕事をし続ける」という風土のベンチャーステージがあった。もちろん今でもサービスのクオリティに妥協しているわけではないが、会社全体として制限時間内に最大のパフォーマンスを発揮する働き方へとシフトチェンジしている。変えるためにしたことはひとつだけ、自分で決めたことを自分の力で達成する“自律した働き方”を意識の中にインプットしてもらうこと。結果として「ホワイト企業」だと外部から表彰されるまでに至ったが、目的は外部から称賛されることではない。社員一人ひとりが「真に自分自身が満足する人生」を手に入れること。そのために、自らが指針を決めそれを実行できるよう支援することだ。人生を豊かにする「GDOらしい働き方」として社是に掲げている“WorkFast”の根底に流れるのは、自ら考え、自らの責任で行動する“自律”の精神そのものと受け止めている。■ホワイト企業アワード(一般財団法人 日本次世代企業普及機構)「GDOで働く」ことにご興味のある方は、こちらから。 文・PLAY YOUR LIFE編集部/星 写真・角田慎太郎 この記事をシェアする 一覧に戻る 関連ストーリー Related Stories FC今治が乗る”海賊船” 針路は「心の豊かさ」へ サステナビリティ 2023.10.02 児童が短くなった鉛筆を集めて寄贈 教育とゴルフ場の出会い サステナビリティ 2023.03.31 小学生から新成人まで 人がつなぐゴルフ場の“サステナビリティ” サステナビリティ 2022.03.24 【石坂信也のゴルフ未来日記 Vol.6】企業として向き合う「SDGs」 GDOが目指す姿とは? サステナビリティ 2022.02.16 一覧はこちら