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「家族で過ごす時間」が主役 ファミリーゴルフを実践して気づいたこと

ゴルフは、年齢や体力差を超えて同じ楽しみを分かち合える数少ないスポーツの一つです。にもかかわらず、「家族でゴルフをする」光景は日本ではあまり一般的とは言えません。

「時間が合わない」「料金が高い」「子どもが行きたがらない」――理由はいくつか思い浮かびますが、そもそも小さい子どもや、初心者の家族と一緒にゴルフ場に行くことに心理的なハードルを感じている方も多いのではないでしょうか。

(左から)久家富美子さん、根岸葉菜さん(11歳)、あす加さん、杏さん(8歳)

しかし、ゴルフ場という豊かな自然に囲まれた屋外で、家族の絆を深め、会話を生み、一生の思い出を作る。これほど贅沢で価値のある時間を諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。

そこで私たちは昨年12月、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスでキッズゴルフ主催の「ファミリーゴルフ」を開催しました。参加者の皆さんに家族の時間を満喫していただくと同時にゴルフ場としての課題を洗い出す、いわば“実証実験”としての試みです。

裕護くん(7歳)を見守る、鈴木邦和さんと薫さん

「ファミリーゴルフ」イベントを開催

当日、集まったのはさまざまな家族構成の5組です。参加メンバーの技量に応じて、9ホールの完走を目指すグループと、5ホールを目安にゆっくりとラウンドを楽しむグループに分かれ、一般プレーの最終組が出た後にスタートしました。

参加者の中で最高齢の“お子さま”となったのは、25歳の会社員・高橋瑞紀さんです。父・真也さんと母・真紀さんの「娘にもゴルフの魅力を知ってほしい」という熱意で参加が決まりましたが、当の本人は「ルールも知らないし、だらだら歩くだけで面白そうじゃない」と当初は気乗りしない様子でした。

それでも、ご両親の熱心なサポートと励まし、さらに本人の筋の良さも手伝って、ナイスショットも織り交ぜながら9ホールを回りきると、「景色が綺麗だし、当たったら気持ちいい。ちょうど良い運動になりました」と、晴れやかな笑顔でクラブハウスに戻ってきました。「またやってみたいですか?」という問いかけに「やってみたいと思います」と答えた瑞紀さん。その瞬間、ご両親から喜びの歓声が上がりました。

ゴルフ初体験の瑞紀さん(25歳)を熱心にサポートする高橋真也さんと真紀さん
新しいゴルファーが誕生しました!

根岸さんご一家は、キッズゴルフに通う葉菜さん(11歳)、杏さん(8歳)、母・あす加さん、そして祖母・富美子さんの女性4人で参加しました。富美子さんは、このイベントのために2日前に初めてクラブを握り、孫2人に教わったばかりという「ゴルフデビュー」の当日でした。

全員が打った中からベストボールを選ぶ「スクランブル方式」でプレーすると、いきなり富美子さんが長いパーパットを沈める大活躍。後半には葉菜さんを中心にさらにパーを一つ重ね、「お留守番をしているお父さんが、パーを獲ったらご褒美をくれるって言っていたんです!」と弾んだ声で報告してくれました。

和気あいあいとラウンドを楽しむ根岸さんご一家

祖父、息子夫婦、そして2人の孫娘。3世代5人で参加した小宮さん一家は、祖父の新(あらた)さんが仕掛け人です。ご自身も10代でゴルフを始め、親とラウンドすることも多く「同じ時間を共有できて、すごくいいなと思った」と振り返ります。今度は自分が、逆の立場となって家族を巻き込む番なのです。

息子の大地さんと、妻のあずささん。親戚や友人の家族まで、新さんの熱意でゴルフの輪は広がり続けています。6歳と3歳の孫娘たちは、後半になると「公園に行きたい!」と自由奔放でしたが、それもまた家族の風景。大自然の中で「じいじ」と遊んだ記憶は、スコアカードには残らなくても、彼女たちの心に深く刻まれたはずです。

(左から)小宮芽果さん(6歳)、あずささん、維果さん(3歳)、新さん、大地さん
パパは大変!でも楽しそう!

主役は「家族で過ごす時間」

今回、私たちは最終組が出た後の枠を使って、ゆったりと家族でゴルフを楽しんでもらいました。スコアは二の次。家族で同じ時間と空間を共有する幸せが、参加者の笑顔から読み取れました。

そこにはまた、ゴルフの経験が浅い家族に対して「ゴルフを好きになってもらいたい。そして、一緒にプレーをしたい」と願う先輩ゴルファーたちの深い愛情がありました。

この日、主役だったのは「ゴルフ」ではなく「家族で過ごす時間」そのものでした。「PLAY YOUR LIFE」。人生を、ゴルフとともに。 私たちは、こうした温かな時間が日本中のコースに広がる未来を夢見て、これからも活動を続けていきます。

(左から)富樫健司さん、茉衣子さん(10歳)、かおるさん

<了>

写真・文 PLAY YOUR LIFE編集部

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