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“競技デビュー”を後押しする新企画「競技ゴルファーサポートプログラム」が始動!

GDO主催のアマチュア競技、通称「GDOアマ」は今年いくつかの変革を施しました。そのうちの一つが、有志の参加者が、競技ゴルフ初心者をサポートする「競技ゴルファーサポートプログラム」です。これは、大会エントリー時に「サポーターに立候補する」を選択した参加者(サポーター)が、「サポートを希望する」参加者と同組になり、プレー中のルールやスムーズな競技進行について「教える」「聞く」という立場を明確にして、ともに競技に挑む仕組みです。この新プログラムの実態をシーズン開幕戦となった6月の鳴沢GC(山梨県)で取材しました!

競技ゴルフの緊張感と面白さを多くの人に味わってもらいたい!

◆サポーターの気持ち

まず、今回サポーターとして手を上げてくれた方々に、どんな気持ちで協力しようと思ったのかを聞いてみました。

その一人、内田琢也さんは過去にこんな経験をしていました。「初めて大会に出たときに、周りの人がすごく優しくしてくれて、声を掛けてくれたり、ガイドしてくれたりして助かったんです。だから、そのお返しというか、また次も来てくれたらいいなって、そんな気持ちです」と、自身のうれしかった経験を新しい仲間たちに伝えていきたい思いだそうです。

スタート前、サポーターの役割についてスタッフから説明を受ける内田さん

別のサポーターは真逆の経験をしていました。「最初にちょっと嫌な思いをしたんです。自分がマーカーになった人に『パーでよろしいですか?』って聞いたら、『バーディかボギーの時は言うから、いちいち聞かんといてくれ』って言われたんです。僕はいいけど、そういうことで競技ゴルフが嫌だと感じる人もいるかもしれない。やっぱり最初が大事だなと思うんです。だから、この制度を知って非常にいいなと思いましたし、これなら不安なく参加できると思うので、協力しました」と教えてくれました。

◆サポート希望者が抱える不安

一方で、サポート希望の方々はルールに不安を感じている人が多いようです。競技ゴルフへの憧れが強かったという深澤洋貴さんは「普段はだいぶ曖昧なルールでやっているけど、今回はサポートがあるということで、自分が出ても問題ないかなと思いました」と、この制度を活用して初めての大会出場に踏み切りました。「今日は池に入ったときに何種類か対応があることを教えてもらいました」と、正しい処置を知るきっかけにもなったそうです。

サポートを希望した深澤さん(左)と近藤さん(右)

競技には何度も出ている別の参加者は「これまではキャディさんがいるときに参加して、分からないことはいつもキャディさんに教えてもらっていたんです」と打ち明けます。「こういう機会にルールを知って、マナーも学べるのは良いことですね」と、不安だったセルフプレーにも自信を深めることができたようです。

女子ゴルファーの春日理那さんは「ゴルフを観るのは好きで、ある程度のルールは知っているのですが、友だちとゴルフに行っても木の下だったら『動かしていいよ~』って言われるので…」と、初めての競技ゴルフ出場を前に、正しい処置に不安があったと言います。それでも「(救済のときに)ティを刺して膝から落とすとか、ちゃんとやらないとダメだなと思って、今回はちょっと緊張しながらやっていました」と、いつもとは違う緊張感を楽しめたそうです。

◆競技ゴルフという世界

競技ゴルフ特有の作法やマナー、普段はあまり意識しないルールも学んでおきたいポイントです。同伴競技者がパットを打つときにラインの延長線上に立たないといった気遣いや、暫定球を打つ場合に「暫定球を打ちます」と宣言することはルールで厳密に定められている事項です。そういうことを「教わりたい!」「教えます!」と宣言して参加することで、円滑な情報交換が行えます。

18ホールを終えてほっとした様子の参加者たち

ときには、故意ではなく、緊張やうっかりミスからスコアを数え間違えて、本来は「9」なのに「8」と言ってしまうこともあるでしょう。プレーヤーの立場ならば、スコア間違いを指摘されたら冷静に受け止めて、再度ちゃんと確認しましょう。うやむやな状態で何も言われず、「ごまかした」というレッテルを貼られるよりも、よほど指摘してもらえる方がありがたいのです。逆に自分がマーカーだったら、同じ気持ちで臆することなく指摘しましょう。間違いを指摘するには少しの勇気が必要ですが、モヤモヤを抱えながら残りのラウンドを続けるより、お互いよっぽど有意義な1日になるはずです。

◆どんなゴルファーになりたいか?

競技ゴルフに出る目的は「上達したいから」という理由が多いようです。気心の知れた仲間との気楽なラウンドとは違い、初対面の人と、どんな一打もおろそかにできない中でする真剣なゴルフは、ゴルフへの向き合い方が違います。今回、「競技ゴルファーサポートプログラム」を利用して競技に初参加した人たちは、そんな新たな一歩を踏み出したのです。

「親睦ゴルフも楽しいんですけど、『いいよ、いいよ』と言って、ちょっと球を動かしてもスコアはスコアじゃないですか。こんな緩いゴルフにお金を使っていたら、もったいないなって思うようになってきちゃったんです」と、初めての競技ゴルフを終えた近藤勇希さんは、満足そうな表情で教えてくれました。

最後に、今回サポーターとして協力してくれた二人に「どんなゴルファーになりたいですか?」と聞いたら、くしくも同じ答えが返ってきました。

サポーターの内田さん(中央)と、サポートを希望した内山さん(左)と春日さん(右)

「もちろんうまくなりたいですけど、うまくなる前に、またこの人と一緒に回りたいと思われるゴルファーになりたいです。1日ラウンドして、2度とこいつとは回りたくないっていうゴルファーにはなりたくない。まだまだ未熟ですけどね…」

そんなゴルファーが増えていけば、ゴルフはきっと安泰ですね。

<了>

◆「競技ゴルファーサポートプログラム」のご案内
https://reserve.golfdigest.co.jp/event/singles/support/

現在、サポートを希望されている方が多く、サポーターが足りない場合はご希望に沿えない可能性もあります。競技ゴルフ初心者の受け入れにご協力いただけるサポーターのご応募をお待ちしております!

なお、サポーターとして立候補いただく方が、ルールに精通している必要はありません。ある程度の知識があることは望ましいですが、現場には競技委員やGDOスタッフもいるので「分からないことは競技委員に聞こう!」と先導できれば問題ありません。サポート希望者とのコニュニケーションを含めて「競技を一緒に楽しもう!」というスタンスでご応募いただければと思います。

写真・文 PLAY YOUR LIFE編集部

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